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スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
バイオハザードIV アフターライフ
バイオハザードIV アフターライ<br><br>フ
★★


アリス・イン・ゾンビーランド


傘(アンブレラ)を差した人々が行き交う渋谷のスクランブル交差点から幕を開ける。
4年後、その交差点の地下にはアンブレラ社の本部があった。

時間軸がわかりにくい構成たが、中島美嘉のいる渋谷が1作目の前の話で、アンブレラ社のある渋谷からが3作目の後の話だ。


今回、アリスはTウィルスを中和され特殊能力を封印されるが、その設定はあまり活かされておらず残念。
ジェット機の墜落からアリスが何の理由もなく生き延びたり、何故かロサンゼルスに飛んで偶然にも生存者に出会えたりと、雑で都合のいい展開が多い。

スローモーションを多用したアクションシーンは3Dの効果も相まって、浴室での水滴を散らしながらの攻防などは面白い。
しかし、あまり意味のないシーンまでスローモーションにするなど、この技術に頼りすぎな感がある。
そもそも、この映画ならでは、このシリーズならではのアイデンティティーが感じられない。

面白いシーンや原作ファンを喜ばせるネタはあるのだが、ちょっと安易に作り過ぎている気がしてならない。




テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

瞳の奥の秘密
瞳の奥の秘密
★★★★★


愛はとまらない


自分の気持ちをはっきりと伝えられずに相手を泣かせてしまうクセに、その思いだけはズルズルと引きずって悶々と過ごしてしまう。ラテンの男ってもっと熱しやすく冷めやすいのかと思ってたが、なんだ、オレ達と一緒じゃん!
主人公に感情移入度100%の猟奇犯罪系恋愛映画。

主人公自身がイレーネを見つめる視線から写真の中の犯人に気付いたり、「情熱は変えられない」をキーワードに被害者の旦那の嘘を見抜いたりと、主人公の恋心を事件の捜査と密接に絡ませているのが巧い。


サッカー場での長回しによる捕り物はスリリング。
作品全体の落ち着いたトーンに対して、このシーンだけの躍動感あふれるカメラ。
シビレた。

Aの壊れたタイプライターを使った伏線も綺麗にまとめられていてお見事。




テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

ぼくのエリ 200歳の少女
ぼくのエリ 200歳の少女
★★★★


いとしのエリ


『リトルショップ・オブ・ホラーズ』を思い出した。
リック・モラニス扮する気の弱い主人公が、知能を持つ吸血植物を育てるために殺人を重ねるというホラーミュージカルだ。
オスカーとエリの関係は、このような「ペットと飼い主」の関係に近い。


エリは食糧である人間の血液を調達してくれる初老の男と暮らしている。
その男の死期が近付いて来た今、彼に代わる飼い主が必要なのだ。

対してオスカーはエリに、社会に居場所がない者同士、シンパシーを感じている。似た者同士としての仲間意識が強い。
また、この閉ざされた世界から旅立つためのパスポートでもある。
ラストのプールでの一件(この惨殺シーンはホラー映画史に残る名場面)から、用心棒として頼れる存在だとも感じているかもしれない。

本来ならば二人は、割り切った関係でのみ成立する。
初老の男とエリとの関係がそうであったと窺わせるように。

それなのに恋心が芽生えてしまうから切ないのだ。


世間から隔絶された世界に暮らし、黙々と血液を調達していた初老の男。
恐らく彼以前にも同じ様な男達が存在し、これからも現れ続けるのだろう。
オスカーもそのサイクルの一部として同じ行く末を辿るのは明白だ。


P.S.
エリが着替えをする場面で秘部にボカシを入れたのは、製作者と観客に対する暴挙である。
実はあのボカシの向こうには、男根を去勢された傷痕があったのだ。
そして、オスカーはその事実を知った上でエリを受け入れる。そこが重要なのだ。
しかし、その部分を隠してしまっては、エリの台詞「私は女の子じゃないの」の意味が全く変わる。
自分もそうだったが、多くの観客が、「普通の女の子ではなくバンパイアだよ」という意味に捉えたはずだ。
加えて邦題に200歳の「少女」と付けて、ボカシによる改変を誤魔化そうとしているのがヒドい。

少女の裸体は児童ポルノに抵触する?
いや「200歳」なんだからOKでは?
まぁ、冗談を抜きにして、製作者の意図、作品の意味を変えるようなことを、やっていいわけがない。




テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

ヒックとドラゴン
ヒックとドラゴン
★★★★★


トゥースレスのはなし


非の打ちどころの無い傑作だ。

観る者のツボを的確に突いてくるストーリー展開。
相対するエピソードや伏線の絶妙な配置。

ドラゴンに悩まされながら暮らすバイキングという独自の世界観の構築。
魅力的な登場人物と、彼らのキャラクターにマッチングさせた、必然性あるドラゴンのデザイン。

ヒックとトゥースの交流の繊細な描写や、互いに補い合いながらの飛翔シーンの素晴らしさ。


細かい部分まで言えば、ヒックとゲップのいい関係性や、ゲップが体が不自由でも楽しんで生活している様子を当社比20%増で描くことで、最後のヒックの怪我に余計な悲壮感を漂わせない下地を作るなど、その仕事っぷりは丁寧なこと極まりない。

そして、取って付けた感が否めなかった『ファインディング・ニモ』に対して、作品のテーマに直結したハンディキャップ描写。


ラスト、ヒックはトゥースとお揃いの「片足」になってしまう。
しかし、ハンデは同じでもそこには大きな違いがある。
トゥースの傷はヒックが攻撃で負わせてしまったのに対して、ヒックの傷はトゥースが守ってくれた証だ。
この出来事によって、二人の絆はさらに確固たるものとなったに違いない。
意外性があり、作品のテーマも浮き彫りにする見事なエンディングだ。




テーマ:アニメ - ジャンル:映画

プレデターズ
プレデターズ
★★


方向性がブレてたー


主人公達が集められた理由に組織的なモノが絡んでるんじゃないか?とか、メンバーの中に秘密を持ったヤツがいるんじゃないか?とか、冒頭から色々と想像力を掻き立てる。
しかし、謎はたいして解明されず、むしろプレデターが勝手にやってただけじゃね?と匂わせる展開に肩透かしを食う。

10年間生き延びたという男も、あんなに簡単にヤられるのでは説得力がない。結局メンバーに武器と防具を与える役目でしかなかった。
プレデターの甲冑をアレンジして着こなしている点など、面白い展開が出来そうなのだが。

主人公がクライマックスで、体中に泥を塗りたくってシュワちゃんをリスペクトするが、体温を下げるのが目的ではなかったようで、その後の戦法も意味不明。


イロモノキャラを揃えた時点で1作目のような硬派路線は無理。
ならば『エイリアンVSプレデター』以上に突き抜けないと面白くない。

倒した獲物の牙や骨で自分の体をデコレーションするという、プレデターの狩猟民族らしさは面白かった。




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