スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
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インセプション
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★★★★★


探しものは何ですか?


この作品における仮想世界である「夢の中」の解釈は、パソコン内のファイルと考えると解りやすい。
主人公グループは自分達とターゲットをLANケーブルで繋ぎ、その中のひとつのパソコンにファイルを作り、それをみんなで共有する。
基本となるファイルは「設計者」と呼ばれる者が作成するが、アクセスしたみんなで、それぞれの能力で書き換えられる部分に限って上書きできるのだ。


アイデアを盗む男達の仕事ぶりを描きながら、個人が抱える罪悪感の開放を物語の根幹に据えたのはスゴい。
パーソナルな問題だからこそ、多くの共感を得ることが出来る。

罪悪感の対象が夢に現れるのも、本質を突いている。
設計したり防衛したり盗んだり植え付けたり、この作品で描かれるのは特殊な技能を持った一部の者達の活躍であるが、万人にとって夢というのは、主人公も悩まされたような潜在意識の具象化なのだ。


折り畳まれる街、無重力廊下、吹っ飛ぶシャンゼリゼ。
映画飽和状態のこの時代に、ここまで新しい映像が見られたことは驚きだ。

夢の階層を潜る度に時間の流れが変わったり、一人ずつ起こし役が残っていくという、独自のルールもエキサイティング。
寝起きの悪い僕はキックされたぐらいじゃ起きないけどね。




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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

借りぐらしのアリエッティ
借りぐらしのアリエッティ
★★★


逆キング・コング


お手伝いさんハルの行動は、珍しい生き物を見つけた時の人間の典型的な「驚き、好奇心、イタズラ心」などを反映したものである。
業者を呼んで捕獲しようとしたことから、金になりそうだとも考えたかもしれない。

稀少種を絶滅の危機に追い込むのは、そんな人間の身勝手な行動なのである。
しかしそこには、端から絶滅させてやろうという程の悪意はない。
そこがまたやっかいで、単純に片付かない問題でもある。


アリエッティと少年のほのかに恋愛感情を交えた関係は、言わば「逆キング・コング」だ。
『キング・コング』では小さな女性が大きなコングを守るために戦ったが、本作では大きな少年が小さなアリエッティを守るために戦う。


たった一軒の家を舞台にした小咄的な作品ながら、描くテーマは普遍的で奥深い。


気になったのは、アリエッティが父親と「借り」に出掛ける場面。
初めて人間の住む世界に出てきたような演出だったが、それまでも自由に出入りしていたため、イマイチ盛り上がらない。
最初の、アリエッティが庭に出ているシーンは余計だったと思う。




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プレデターズ
プレデターズ
★★


方向性がブレてたー


主人公達が集められた理由に組織的なモノが絡んでるんじゃないか?とか、メンバーの中に秘密を持ったヤツがいるんじゃないか?とか、冒頭から色々と想像力を掻き立てる。
しかし、謎はたいして解明されず、むしろプレデターが勝手にやってただけじゃね?と匂わせる展開に肩透かしを食う。

10年間生き延びたという男も、あんなに簡単にヤられるのでは説得力がない。結局メンバーに武器と防具を与える役目でしかなかった。
プレデターの甲冑をアレンジして着こなしている点など、面白い展開が出来そうなのだが。

主人公がクライマックスで、体中に泥を塗りたくってシュワちゃんをリスペクトするが、体温を下げるのが目的ではなかったようで、その後の戦法も意味不明。


イロモノキャラを揃えた時点で1作目のような硬派路線は無理。
ならば『エイリアンVSプレデター』以上に突き抜けないと面白くない。

倒した獲物の牙や骨で自分の体をデコレーションするという、プレデターの狩猟民族らしさは面白かった。




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アイアンマン2
アイアンマン2
★★


ガンキャノンとグフ?


『アイアンマン』1作目はパーフェクトに燃える作品だったが、今作はストーリーがつまらなくて全く燃え上がらない。

悩んで自暴自棄になるヒーローというのはハッキリ言って見飽きた。
トニー・スタークの場合はリアクターの燃料に体を蝕まれてきたことが原因であり、それぞれのヒーローによって理由は違うのだが。

また、ヒーロー大集合映画アベンジャーズへの布石の部分は膨らませ過ぎだ。
新しいキャラまで出す必要があったとは思えない。
前作のようにオマケ程度でいい。

これらの要素がそこそこのボリュームで描かれる為に、全体として散漫な印象。
盛り込み過ぎなのではなく、バランスの問題だろう。


開発環境を与えられたイワンがそれを利用して別のマシンを造るのは、前作の主人公と同じパターンで捻りがない。
もしも、「見方を変えればヒーローと悪役は同類である」ということを描きたかったのだとしたら、イワンのパートの掘り下げが足りないのではないだろうか。
単なる復讐、もしくは逆恨みのレベルに成り下がっているのがもったいない。


AC/DCの「Highway to Hell」の使い方は、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』の方が上。




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ダブル・ミッション
ダブル・ミッション



隣の家のスパイ


今作は、ジャッキーのどのハリウッド作品にも増してお子様臭が強い。
予告編からもそれは窺えたので、ドラマ部分は切り捨てて、アクションのみを堪能するつもりで挑んだのだが・・・。

しかし、これはジャッキーアクションとして過去最低レベルじゃなかろうか。
決して衰えたわけではない。
よく見ればわかるが、ジャッキー自身はまだまだ動けている。
それなのに、カット割りがヒド過ぎてきちんと見せることが出来ていないのだ。
ワイヤーやスタントマンも見え見えで不自然だ。香港でも使っているものなので、要は使い方が悪いのだろう。

敵役の俳優がアクション出来ていないのにも問題がある。
ジャッキー本人も言っているように、彼のアクションは演舞のようなものである。
リアルに無駄なく倒すことよりも、いかに華麗でカッコいい動きを見せるかにこだわっている。
組手の相手次第で良くも悪くもなるのだ。

「ハリウッド進出30周年記念作品」だの、過去のアクションシーンのオマージュがあるだの(オマージュと言うよりネタの使い回し)、宣伝が大袈裟なのはJARO通報レベル。
オープニングのタイトルバックで過去の作品のアクションシーンを編集して見せるのも期待を持たせ過ぎだ。

怖いのは、この映画を観た観客が、「ジャッキーも年とって衰えたな」とか「これからはコメディ路線だな」などと間違った感想を抱いてしまうこと。


ドラマ部分は、悪い意味で、どんな80年代映画よりも80年代的であり、チープなストーリーに笑えないギャグ、安い画作りに安い敵と、「子供向け」を履き違えてる。

途中で、石油を分解する薬の効果を見せたのは伏線ではなかったのか?
あんな面白い発明をストーリーやアクションに絡めないでどうする!?


ジャッキーファンならば「ジャッキー補正」というのが働いて、どんな作品も(『シティ・ハンター』でさえも)楽しめるはずなのだが、この90分間は苦行に近かった。

ジャッキーはこんなもんじゃねぇよ。




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17歳の肖像
17歳の肖像
★★★


オヤジの肖像


「学校では教えてくれないこと」を経験したいの。
親や先生への反発と少しの好奇心から大人の世界を覗いた少女が、大人でもなかなか経験できない事に巻き込まれ、ひとまわりどころかふたまわり半ぐらい成長する。

少女の行動の裏には親の極端な教育方針がある。
あの時代ならばむしろ典型的だったのかもしれないが、親の目的はとにかく娘をいい大学に行かせて高い地位の男と結婚させること。
一見お堅いように見えた父親だが、娘に言い寄ってくる男に奥さんのことを褒められるとコロっと落ちてしまうあたりが情けない。

しかし、そんな父親が娘との関わり方について学ぶのが、この作品の裏のテーマだ。
詐欺師の男との経験によってかなりスレてしまった娘と違い、素直に娘に向き合えるようになった父親が微笑ましい。




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サバイバル・オブ・ザ・デッド
サバイバル・オブ・ザ・デッド
★★★★


馬に乗ってもOK牧場


ロメロ最新作はまさかの「戦国自衛隊・西部劇バージョン」。
ゾンビを題材に人間の真理を描き続けるロメロだが、今作はそれが最も顕著だ。
ゾンビの登場シーンは極めて少なく、西部劇よろしく二つのファミリーの対立が描かれる。

物事を片方の側からしか見ず、それが正しいと信じて行動する主人公グループ。
全てがわかった後になって沸き起こる疑問。
ゾンビを家畜のように飼い慣らそうとしているかに見えた集団の、真の目的がわかった時のショック。


世の中、ゾンビ映画があふれているが、ロメロはやはり次元が違う。
毎回何かしら新しい可能性を示唆するが、今回は人間以外の動物の肉を食糧として与える。
また、馬に乗るゾンビの登場シーンには、ゾッとすると同時に神々しさも感じた。

ゾンビの新しい撃退方法の発明にも励むロメロ。
頭頂部だけが残る「逆オーレンイシイ」状態や、消火器の泡を頭部のあらゆる穴から吹き出させる方法(自分からパクっとくわえる)、発煙筒を胸に撃ち込んで内側から発火させる方法などが見所だ。

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』とのリンクを、ヘンにもったいぶらずにオープニングでさらっと見せるところもサリゲナイ・オブ・ザ・デッド。




テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

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