スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
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ラブリーボーン
ラブリーボーン
★★★


それぞれの人生の続け方


スージーの母の場合
回らなくなった日常から一旦離脱し、全く違う環境でルーティンワークをこなすことで、生きる為の活力を取り戻す。
暖かい土地に行ったのも効果的だった。

スージーの妹の場合
正義感が強く行動力がある彼女は、自分の直感を信じ、姉殺害の証拠を見つけることで、前に進めるようになる。

スージーの祖母の場合
あくまでもマイペースを崩さない。
ハチャメチャなキャラクターが停滞した家族のカンフル剤として作用する。

スージーの弟の場合
両親がだめになっている中、祖母の明るさが支えとなる。

スージーのボーイフレンドの場合
新しい恋を始めることが必要だった。

スージーの父の場合
自暴自棄に陥り何も手に付かなくなる。
周りの家族が次第に立ち直るのを見て、家長としての自覚と責任感を取り戻す。
感受性が強いせいか、スージーの「気」を誰よりも感じ取る。

スージーの場合
家族の止まった時間が再び回り始めることで安心する。
女の子らしく、初恋の人とのファーストキスだけが心残りだったが、それを果たした今、ようやく人生を終えることができる。




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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

Dr.パルナサスの鏡
Dr.パルナサスの鏡
★★★


リリー・コールの好みのタイプがコリン・ファレルだったとは!


ヒース・レジャーの死で暗礁に乗り上げかけた企画を、新たな設定を付加することで見事に完成させた。
その設定が、鏡の中の世界=イマジナリウムでは人の姿形さえも想像力によって変わる、というものだ。
これが当たり前のようにハマッていて、この作品のひとつのアイデンティティーにもなっており、とても後から加えられたものとは思えない。

あるゲームソフトの話を思い出す。
ゲームソフトを作る時にはハードの性能などの技術的な制約に、どうしてもぶち当たる。
それを乗り越えるためにあれやこれやと知恵を絞るのだが、そのアイデアがゲーム性そのものを決定付けることも少なくない。
ハードの性能がかなり低かった頃、戦争ゲームを作ろうとしたが、画面に表示できる弾数はごく限られてしまう。これではとても撃ち合いはできないということで、逆に弾を撃たずに隠れるゲームとして誕生したのが「メタルギア」だった。


父親の立場で観ると、自分の欲望の為なら娘の人生をないがしろにするのさえ厭わない男の話。
その中で「選択」がキーワードになっていて、自分が好きな女性と結ばれたいがために、一度は悪魔に娘を差し出すという選択をした博士が、やり直すチャンスを与えられる。
他人に対して、欲望に負けずに正しい選択が出来るかどうかを試しているはずの、博士自身が欲望に負けているという皮肉。

娘の立場で観ると、成長するうちに自我に目覚め、自分の人生を生きるべく自立する話だ。


悪党4人組を警察に勧誘するシーンや、なんでもかんでも爆発するところに、モンティ・パイソンらしさが垣間見えて爆笑。


それにしても、この映画を観ると、ヒース・レジャーの凄さをますます感じる。
代役の3人の誰よりも、ヒース・レジャーの演技はずば抜けているもの。




テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

パラノーマル・アクティビティ
パラノーマル・アクティビティ



この映画が怖くない理由


まずひとつ目は、怪現象に一貫性がなく、場当たり的な点である。
例えば、夜中に大きな物音が鳴る。その場では何なのかわからなくても、後々理由を明らかにしていかないと、ただ観客をビックリさせるだけの意味しか持たなくなる。
それでは怖がらせているのではなく、驚かせているだけだ。
テレビをつけたり、写真を屋根裏に置いたり、シーツをフワッとさせたりも同様である。

ケイティにとりついた悪魔は、なぜ最後にカメラに向かって吠えたのか。
これもまた、観客を驚かせるためだけにやっているようにしか見えず、興覚めだ。
悪魔がカメラに撮られるのを嫌っていたという解釈もできるが、それならもっと早い段階でカメラが壊されてもいいはず。
そうすれば、今度は違うカメラで、見つからないように隠しながら撮ったりと、ドラマも生まれるだろう。


観客の心理と、登場人物の行動が一致しない点もあげられる。
何かが寝室に入って来ているのではないかと思い、床に白い粉をまく。足跡は部屋に入るだけで出て行った形跡がない。
では部屋にまだ居るのか?だとしたら部屋で何をしているのか?それとも違う場所から出ていったのか?
次はそれらを調べるべきだと思うのだが、放ったらかしのまま物語は進む。
そんな部屋で、またよく寝ることができるな・・・と、呆れる。


そして、この映画には、殺るか殺られるかの生死をかけたせめぎ合いがない。
最初のうちは、冗談半分のミカにイライラしながら観るのもいいが、マジになるタイミングが遅過ぎるのだ。
ケイティが何と言おうと力づくでもこの家から逃げないといけないし、そうすることで相手も逃がすまいと本気になり、逃げる方も本気になる。
そうしたガチンコのぶつかり合いが悪魔モノの醍醐味なのでは?
これが、この映画が『エクソシスト』などの傑作の足下にも及ばない最大の理由であると考える。


家の造りが日本と違うからとか、文化が違うからとか、怖くないのはそういう理由ではないだろう。
その辺は想像力で補うものだ。
実際に海外のホラー映画に傑作はいくらでもあるし、逆に日本のホラー映画が海外で受け入れられたりしているのだから。


悪魔は彼らを弄んでいたのだが、なかなか本気で逃げないので、つまんなくなってサクッとやっちゃったのだ。


ただ、POV映画に定点カメラという要素を入れた点は面白い。
早回しをしても、女性が何時間もジッと立っているシーンなんかは不気味な雰囲気を醸し出している。




テーマ:ホラー映画 - ジャンル:映画

サロゲート
サロゲート
★★


松田聖子は出ていません


人類のほとんどが引きこもりとなり、日常生活をロボットに代行させている世界。
リアル社会の『マトリックス』というべきか、地球の『アバター』というべきか、せっかく面白い設定を作っているのだが、その造り込み、掘り下げが物足りない。
サロゲートのレンタル品を代用しているという描写はあるが、製造時期の違いによるバラつきがもっとあるはずだし、貧富の差から、中古品や粗悪品が出回ったりしてもっと混沌としているはず。

例えば『トゥモロー・ワールド』で画面の端々から感じられた、その世界の「実在感」が、この作品からは感じられない。
『ターミネーター3』でチョンボをやらかしたジョナサン・モストウなので(個人的には好きな作品の多い監督なのだが)製作費を削られたのかもしれないが、この辺りはいかにイマジネーションを発揮するかによるよなぁ。

人類が自ら動かなくなるという世界の描写では『ウォーリー』の方が上だ。


ロボットを介しての殺伐としたコミュニケーションに危機感を感じ、元の人間同士の触れ合いを求めるようになるのは自然な流れだ。
だが、主人公が妻との生身のコミュニケーションを復活させたいからといって、博士の悪事に便乗して全てのサロゲートを破壊してしまうのは無茶苦茶過ぎる。
ネットに嫌気がさしたオヤジが、ある日突然世界中のパソコンをブッ壊したら大問題だろう。

このシステムには悪い面だけでなく良い面もあり、やめたいなら妻を説得して自分達だけやめればいい訳で、このような行動を納得させるにはそれなりの理由が必要だ。
この夫婦の不和がサロゲートだけが原因とは思えない所にも問題があるのだろう。


見所は俳優達のロボット演技。
笑う時に唇の両端をスッと上にあげ、逆回転したように元の表情に戻るなど、うまい人の演技は本当にお見事。
でも、ときどき妙に人間くさいロボットがいるのは、バージョン違いによる性能の差まで表現しているのか、単に演技が下手なだけなのかはわからないが。




テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

かいじゅうたちのいるところ
かいじゅうたちのいるところ
★★


きょうぼうでうたれづよいこどもたちのいるところ


お姉ちゃんやその友達にかまってほしくてちょっかいを出したところ、こてんぱんにやられてみたり、いきおいでお姉ちゃんの部屋を荒らし、その結果自己嫌悪におちいってみたり。
ママがボーイフレンドに夢中なのが気に入らなくて困らせてみたり、その結果おこられてみたり。
そんな、正しくおこちゃまなマックスがかいじゅうたちの世界に迷いこみ、王様になる。
かいじゅうたちを仕切って遊んでいるうちに、彼らのおこちゃまな行動に困りはじめたマックスは、それが今まで自分がやってきたことと同じだということ、そしてママも今の自分と同じように困ってたんだということに気づき、ちょっぴり大人になって家に帰る。

基本的なすじ書きは絵本と変わらない。

冒頭部分は、子供ならでは、弟ならではの苦悩がとてもよく描かれていている。
でもこの作品がイマイチつまらないのは、絵本ではぶんしょうを廃して絵だけで表現していたかいじゅうの島での出来事に、かいじゅうたちの性格やかいじゅう同士のかんけいなどいろいろと肉づけしたせいじゃなかろうか。

また、これはかってな期待だけど、実写化したときに一番の見せ場になると思っていた「マックスの部屋にじょじょに木がはえてきて森になる場面」が、家を飛び出してほんとうに森に入ってしまう描写になっていてひょうしぬけ。


でも、かいじゅうたちをしーじーではなく(表情はCGだが)着ぐるみにしたのは正解。
みているうちに、ミシェル・ゴンドリーの映画だったっけ?とかんちがいしそうになるほどの、あたたかいてづくりかんがたまりません。

そして、「ヤー・ヤー・ヤーズ」のボーカリスト、カレンOによるおんがくがすばらしい!


それにしても、このぶんしょうをかいていると、ひらがなをつかいたくなるのはなぜだろう?




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2009年総括
2009年1月1日~12月31日公開映画★ベスト10★+α

タイトルクリックでそれぞれの批評へ(無い作品もあります)。


母なる証明
1.母なる証明
狂気の中のユーモアと、ユーモアの中の狂気。
ポン・ジュノは2000年代を代表する映画監督だ。


スラムドッグ$ミリオネア
2.スラムドッグ$ミリオネア
今までが過小評価だったダニー・ボイル。
ようやく時代が追い付いた。


レスラー
3.レスラー
ほぼミッキー・ロークの自伝。
プロレスの舞台裏を包み隠さず描いたのも凄い。


グラン・トリノ
4.グラン・トリノ
四角いクリントが手荒く収めまっせ。
『チェンジリング』も良かった、イーストウッドの当たり年。


ドゥームズデイ
5.ドゥームズデイ
カーペンターとジョージ・ミラーへの真面目なオマージュ。
B級アクション風のA級作品。


カールじいさんの空飛ぶ家
6.カールじいさんの空飛ぶ家
年老いたフロドの、家を捨てる旅。
ピクサーのキャラ造形のうまさに毎度唸らされる。


イングロリアス・バスターズ
7.イングロリアス・バスターズ
タラちゃん会話劇の真骨頂。
映画オタクが独裁政権に勝った日。


スター・トレック
8.スター・トレック
『スター・ウォーズ』みたいなスター・トレック。
ハン・ソロみたいなカーク船長に、ミレニアム・ファルコンみたいなエンタープライズ。


サマーウォーズ
9.サマーウォーズ
救世主ネオは大家族だった!
花札は鍛えといた方がいい。


新宿インシデント
10.新宿インシデント
成龍版『仁義なき戦い』。
挑戦し続ける55歳。





以下は、ベスト10入りを争った作品たち。


アンヴィル!
次点(順不同).アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~
夢を諦めきれないのではなく、夢を諦めないのです。


96時間
次点(順不同).96時間
娘が誘拐されるまでの描写が完璧。


重力ピエロ
次点(順不同).重力ピエロ
ミステリーのふりをした、家族の物語。


ザ・バンク 堕ちた巨像
次点(順不同).ザ・バンク 堕ちた巨像
美術館での銃撃戦は必見。


ウォッチメン
次点(順不同).ウォッチメン
ザック・スナイダーのスタイルが確立された。


上記15作品の他にも、2009年はいい映画が多かった。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、『チェンジリング』、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』などなど、泣く泣く外した作品が多い。





そして最後に、期待の割にがっかりの、落差が大きかった作品3点。


13日の金曜日
がっかり1.13日の金曜日
マーカス・ニスペルよ、『テキサス・チェーンソー』はまぐれだったのか?
ジェイソンと母親の関係が描けてない。


007/慰めの報酬
がっかり2.007/慰めの報酬
イマイチの脚本にイマイチのアクション。
イマイチの悪役に、オープニングだけグッド。


サブウェイ123/激突
がっかり3.サブウェイ123/激突
オリジナルの良さはどこへやら。
トニー・スコット節が空回り。




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