スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
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アバター
アバター
★★★★


悪いひとたち


「悪いひとたちがやって来て みんなを殺した 理由なんて簡単さ そこに弱いひとたちがいたから」
ブランキー・ジェット・シティの「悪いひとたち」の歌詞を思い出した。

この作品のテーマは、人類が昔から繰り返し行ってきた侵略、それへの批判である。
アメリカ人がネイティブアメリカンに対して、日本人がアジア諸国に対して行ってきた虐殺の歴史。
愚かな人類は別の惑星の生物に対しても同じことを繰り返している。
まさに歌に歌われている通り。
「つけが回ってくるぜ でもやめられる訳なんてないさ」

パンドラに住むナヴィは、このテーマを効果的に伝えるためにとてもうまくデザインされている。
パッと見では好感を持てないような、イビツな顔立ちに青い皮膚。人間の1.5倍の背丈と身体能力の高さは、恐怖を抱かせる。
映画の序盤では、この生物が言うことを聞かないなら攻撃もやむなしという人類側の立場に観客を置き、物語が進むに連れて徐々にナヴィに感情移入させていくという流れになっている。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などでも描かれていた題材だが、この作品が面白いのは、ナヴィを率いる主人公はあくまでも仮の体であり、実際の肉体は、敵である人類の施設内にあるという所だ。
自分の体と、アバターへのリンク装置を握っている相手に対して、いかにして反乱を起こすか、というのが見所になっている。


ジェームズ・キャメロンと言えば日本の漫画やアニメ好きで有名だ。
過去にも「寄生獣」や「銃夢」の版権を取ったことで騒がれている(「寄生獣」の版権を押さえたのはT-1000を訴えられない為だと言われているが)。
本作には、『もののけ姫』、『風の谷のナウシカ』、『天空の城ラピュタ』の宮崎駿作品や、『エヴァンゲリオン』などからの影響が見える。
日本の作品がジェームズ・キャメロンほどの監督に影響を与えているのは嬉しい反面、ここまで露骨だとちょっと複雑な気分だ。

とは言っても、そこにミリタリーオタクの要素も加わって、見たことのない戦闘シーンを作り上げたのはスゴイ。
パワードスーツもカッコイイ!『エイリアン2』のパワーローダーからここまで進化したか、と感慨深い。
それらの兵器も、段々と憎たらしく見えてくる所がまた、この映画の面白さでもあるんだよな。




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パブリック・エネミーズ
パブリック・エネミーズ
★★★★


私はコレ(小指)で強盗を辞めました


大恐慌時代、利益を独占する銀行に対してアメリカ国民は鬱憤を募らせていた。
その鬱憤を代わりに晴らしてくれた男、ジョン・デリンジャーは、捜査局のつけた「民衆の敵No.1」というあだ名に反して、民衆にとってはヒーローのような存在だった。
白昼堂々、銀行を襲ったり、捕まっても脱獄を繰り返す大胆さや、一般客の金には手を付けない義賊としての姿が民衆の心を捕えた。

当時の人の言葉が、ジョン・デリンジャーへの感情をうまく言い表している。
「彼がやったことはいいとは思ってはいない。でも、あっぱれじゃないか。」


そんなデリンジャーの物語を、同じく不況にあえぐこの時代に、(マイケル・)マン汁たっぷりの男臭さ全開で描く。
ただ、民衆のヒーローとしての側面よりも、徐々に終焉へと向かっていく哀しき男の姿を主軸としている。

敏腕捜査官のパーヴィスによって、少しずつジワジワと追い詰められていく。
仲間が殺られ、次第に逃げ場が狭まっていく焦燥感。

いつまでも危険な銀行強盗にこだわる彼は、競馬のノミ屋など効率の良い犯罪に鞍替えする仲間からも孤立していく。

そして、愛した女性ビリーさえも足枷になってしまうという皮肉。
それでも見捨てることなく共に逃げようともがき、死の間際まで愛を貫く姿に男としての魅力が滴る。


捜査官パーヴィスも単なるヤリ手ではなく、新しく赴任してきたベテラン捜査官(ラストでおいしい所をかっさらっていく)に苦汁を舐めさせられる場面が多々あり、この辺りの描写が人物を魅力的にしている。
暴力による尋問を受けたビリーを気遣う男らしさにもジュンとする。


破滅へ導く女の代名詞となった「赤いドレスの女」は、街灯のせいで赤く見えただけで、実際に着ていたのはオレンジのドレスだったと言われている。
この映画ではその辺りもきちんと描いている。


ジョン・デリンジャーのやったことは確かにいいことではない。
それでも最期まで仁義を尽し、愛を貫いた姿に惹かれるのだ。




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