スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
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イングロリアス・バスターズ
イングロリアス・バスターズ
★★★★


面白さタランやつは、バスターズに頭の皮を剥がされてしまえ!!


『キル・ビル』の時も思ったけど、最近のタランティーノは編集が粗い。
今回は後ろへ行くに連れてだんだん粗くなっていく。

恐らく、まず最初に「あんなシーン撮りたい」、「こんなシーン撮りたい」という所から映画を組み立てているんじゃないだろうか。
それぞれのシーンを撮るのは抜群に上手いのだが、それらを組み合わせていくのがヘタクソだ。

要するに後半に行くほどシーンの数が増え、ブツ切りの編集が増えてくる。音楽が絡むとさらに顕著。
物語のテンションは上がっているはずなのに、観ているこちらは時々腕を掴んで引き戻されるような感覚を覚える。


とは言っても、この作品の精神は大好きだ。
ナチに家族を殺されたユダヤ人少女の復讐に重ねて、映画をプロパガンダの道具として利用してきたナチが文字通り映画に復讐される様を描く。
しかも、少女が殺された後で、その意志を引き継ぐようにフィルムが燃え上がり、ナチ共を焼き尽すのだから。
映写機の映像が煙に投影されるという、あたかも少女の執念が襲いかかるような演出がスゴい。

そして、やはりタランティーノは会話劇が巧い。
この人はアクション監督ではなくドラマ監督だと、僕は思っている。
今回は何度か出てくる、バレるかバレないかの緊張感を孕んだシーンがたまらない。

特に第1章は完璧だ。
舞台となるのは一軒の家のみ。
ランダ大佐とフランス親父の会話劇が、尋常ではない緊張感で展開する。
匿っているユダヤ人がいつバレるか知れないサスペンス。
ユダヤ人の存在を、観客に明かすタイミングも絶妙だ。
アメリカ映画では外国人もみんな英語で話すという可笑しさをギャグにしつつ、物語にもうまく活かしている。
この章だけでも観る価値あり。

その他にも、レストランでのランダ大佐とショシャナのやりとり、そして、イギリス軍の中尉達がナチの将校と鉢合わせてしまう酒場の場面もスゴイ。


最後に。
イーライ・ロスはタランティーノと遊んでばかりいないで新作を撮るように。




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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

マイケル・ジャクソン THIS IS IT
マイケル・ジャクソン THIS IS IT
★★★★★


マイコーHaaaan!!!


こんなに元気だったマイケルが死ぬなんて有り得るだろうか?
あまりにも不可解な死ではないか?
これは、一緒にステージを造り上げていたスタッフ、キャスト達からの告発のようにも思える。

若いダンサーに全く引けを取らない、キレのあるマイケルのダンス。
それぞれに独自のスタイルを持った、個性豊かなダンサー達。
美人ギタリストのオリアンティをはじめプロフェッショナルな演奏陣。
巨大スクリーンや3D、レール上を動く照明、クモやブルドーザーなどの大掛かりな仕掛けといった、チャレンジングな舞台装置と演出。
ヒット曲を出し惜しみしない魅力的なセットリスト。
このステージが幻で終わったことが残念でならない。と同時に、この作品が貴重な記録であることを再認識した。

しかし何より凄いのは、普段は見ることのできないマイケルの姿だ。
演奏するミュージシャンよりも確かな耳で指示を出したり、バンドのバランスや、音符の長さひとつ妥協しない音楽家としての姿。
時にムードメイカーとなり、時に揺るぎないリーダーシップで大人数をまとめあげる、人間としての魅力に溢れる姿。
「キング・オブ・ポップ」の異名は大袈裟でもなんでもないことを思い知らされる。
これ程のアーティストは二度と現れないだろう。


劇場を出てから、右腕でリズムを取りながらの「Beat It歩き」で家路についた。

泣けてくる。
でも、なくもんか。




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PUSH 光と闇の能力者
PUSH 光と闇の能力者
★★★


押すなよ!絶対押すなよ!


ポール・マクギガンは東洋女性フェチに違いない。
『ラッキーナンバー7』ではルーシー・リューを『チャーリーズ・エンジェル』よりも可愛いく撮り、今作でも東洋系、特にミンナ・ウェンの素敵なことといったらない。

他にもダコタ・ファニング、ジャイモン・フンスーからワイプ使いの爺さんまで、脇役がみな魅力的なのがこの作品のいい所でもあり、逆に言えば主役二人の魅力の無さは致命的。

クリス・エヴァンスは優男過ぎて、あの雑多な香港でディビジョンから逃げながらのサバイバル生活を送っているようには到底見えない。
カミーラ・ベルは眉毛太過ぎ(笑)。
仮にもプッシャーの役なんだから、もっと目力のある俳優を。


いい所も多い映画ではある。

冒頭のガラス玉が転がっていくキラ脱出劇が秀逸で一気に心を掴まれる。

自分の能力を使いこなせていない主人公が、同じ能力を持つ敵と戦いながら「あ!弾跳ね返せるのね!」と、スキルアップしていく場面も面白い。

多くを説明せずに能力をわからせる演出も良いし、プッシュだのシャドーだのワイプだのシフトだのネーミングセンスが最高。


『ラッキーナンバー7』(こちらは良作!)でも見られたビビッドな色彩の使い方は間違いなくポール・マクギガン印。
しかし、作品のトーンやスタイルは借り物の印象が強く、ポール・マクギガン色には染められていない。

ウソの記憶を他人の頭に押し込む「プッシュ」を使った駆け引きが見どころの本作。
ラストでキラが見る写真には「カーバーを殺せ」などという指示は書いていない方がスマートだった。
ただ写真を見せるだけで真実は伝わるし、それを見た彼女が自分から行動をとる方が、二人の絆の強さを示せたのではないか。

惜しい所もいっぱい。




テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

ソウ6
ソウ6



後継者問題


力技でねじふせる感じが強いながらも、後の事など考えずに毎回やりきる所が好きだったのだが、5作目辺りから目に見えて次作のために謎を残すようになってしまった。
守りに入ってしまうとつまらない。

ジグソウがスピリチュアルな存在になり、後継者が意志を継いでいくというスタイルは面白い。
しかし、ホフマンは装置の調整は大雑把だわ、自分の犯行がバレそうになるとその場で皆殺しにしてしまうわで話にならない。
新たに指名した妻のジルも、ホフマンひとり満足に殺せず前途多難だ。
果たして、真にジグソウの意志を継ぐ後継者は現れるのだろうか。

後継者といえば、いい監督が現れないのも問題だ。


今回のゲームで面白かったのは冒頭の「人肉量り売り対決」のみ。
本編は他人の選択ひとつで生死が決まるモノばかりで、シリーズの主旨からもズレている。

草葉の陰でジグソウが泣いてるよ。




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母なる証明
母なる証明
★★★★★


母親でポン


息子への無償の愛。
息子を守る者は自分しかいない、自分が守らなければ誰も息子を守ってくれない、その一心で行動する母親の強さ。
目撃者が話していることが真実だとわかった瞬間に、隠蔽することで守ろうとする本能的な行動。
それはライオンから我が子を守って必死に戦うインパラのように動物としての本能。
そこまでして守り切ろうとする運命共同体としての真の親子の形。
母親の口から今はもういない「お母さん」という呼び声が洩れるシーンや、代わりに捕まった、同じく障害を持つ青年と対面し、「お母さんはいないの?」と泣き崩れるシーンでなおさらそれが強調される。

ポン・ジュノという監督は稀有な存在だ。
完璧な構図に完璧な演出。
極めて映画的でありながら、他のどれとも異質な体験。
手でさわれそうな程の緊迫感と、毒を孕んだユーモア。


知的障害のある子と母親の関係を正しく描いているのも特筆すべき点。
マザコンや近親相姦的に見えるのかもしれないが実はそうではなく、子の母親への関わり方が幼児期から変わらないのだ。普通の青年と母親よりも距離が近い。
そうかと思えば、ふとしたきっかけで激昂し、ありったけの怒りをぶつけてくる。
また、ぼーっとしているように見えて、直感的に物事を理解する鋭さも持っている。
母親もそんな手の掛かる息子を放っておけず、べったりと面倒を見ざるを得ない。
『13日の金曜日』シリーズのパメラとジェイソン親子の関係もこれに近い。


これ以上ない見事なオープニングから、夕日をバックにした長回しのエンディング。さらには最後まで観ることによってがらりと意味の変わるオープニングと、ひと回り以上の衝撃を与える怪物的作品。




テーマ:韓国映画 - ジャンル:映画

ワイルド・スピード MAX
ワイルド・スピード MAX
★★★


走り屋のDr.イーヴル


シリーズ4作目だが時系列では3作目よりも前にあたる。
ハンのセリフからそれがわかるのが面白い。

演出が面白かったのは、ドミニクがレティの事故現場でタイヤ痕を見て事故の様子を想像する場面。
道路に立つドミニクを突き抜けるようにクラッシュした車が転がっていく。
しかし、超能力者じゃないんだから、銃で撃たれる所まで見えてしまうのは違うんじゃなかろうか。
薬莢が落ちてたとか、そういう描写があればわかるけどね。

ラストのドミニク奪還劇を最後まで見せずに、そのまま3DCGのクレジットに流れていくのもセンスいい。
久しぶりにラストシーンで「おっ」と思った。


オープニングのタンクローリーのシーンが派手だった割に、クライマックスのチェイスが地味なのは残念。
最近流行りのパルクールも出てくるが、これもイマイチ。


それにしても、ミシェル・ロドリゲスの扱いは不自然だった。
『LOST』の時に飲酒運転で逮捕されて、途中で殺されたことにして降ろされたように、今回も不祥事があったのか?




テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~
アンヴィル!
★★★★


友情・オン・友情


何十年かぶりに連絡してきた売れないバンドの依頼を、二つ返事で引き受け、メンバーの喧嘩の仲裁までしてくれる、プロデューサーとの仕事を越えた友情。
結果的には向いていなかったが、金に困っているリップスを雇ってくれた、地元ファンとの友情。
そしてもちろん、リップスとロブ・ライナーの、学生時代から続くスタンド・バイ・ミーな友情(ロブ・ライナー違い)。

これは、様々な友情の形を描いた、ドキュメンタリーの傑作だ。

感情を率直に表現してしまいがちなリップスは、お世辞にも、できた人間とは言えない(笑)。
そんな彼が仲間や家族から愛されるのは、決して諦めたり妥協したりしない、夢に向かって全力投球な姿勢のおかげだろう。


80年代のちょっとしたピークから、ヨーロッパツアーに象徴される不遇の時代を経て、ニューアルバムの制作をきっかけに日本でちょっと盛り返す。
そんな構成になっているが、客入りのさっぱりなヨーロッパでの単独公演やイベントはアンヴィルがメインアクトなのに対して、ラウドパークはメガデスやアンスラックスなどそうそうたるメンツが出演するフェスティバルであり、両者を単純に比較するのは間違いだ。
勘違いしそうな構成もズルイ。

しかし、他の国ではこうしたイベントにさえ呼ばれなかった彼らに声が掛かり、朝一の出番にも関わらず、ほぼ満員状態だったのは凄い。
実際にフェスティバルに行くとわかるが、朝一から大勢の客が集まることはなかなか無い。パフュームぐらい話題性がないと難しい。
この点をもっと強調してあるとよかった。


夢を諦めず、常にベストを尽す彼らの姿には、夢を諦めたことのある人ほど心打たれ、応援したくなるはず!




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パイレーツ・ロック
パイレーツ・ロック
★★★


パイレーツ・ポップ


ロックへの愛がひしひしと伝わってくる!
ずっとこの世界に浸って彼らの流す音楽を聴いていたい、そんな気にさせてくれる。
制作者も同じ気持ちだったらしく、エンドクレジットにそれがよく表れている。

音楽映画でこれをハズすと致命的だが、とにかく音楽の使い方が群を抜いて良い。
女の子とのシーンで流れるピッタリの曲(これは女の子の名前を曲から取ってるだけだが)。
法を破り、年を越えても放送を続ける時の一発目、ストーンズの「夜をぶっとばせ」。
船が沈んでいく時のプロコル・ハルムの「青い影」には鳥肌が立った(実際には4分の曲だが「長い曲を」と紹介するのは、9分あると言われるオリジナルを、長いとラジオで流してもらえないからという理由でレコーディング時に短くしたというエピソードに由来するものなのか)。
そして、サイモンが女にフラレた後の「ステイ・ウィズ・ミー」、オープニングの「オール・オブ・ザ・ナイト」やカヴァナ登場時の「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」も最高だし、挙げればキリがない。
選曲するの楽しかっただろうな。

『あの頃ペニー・レインと』のように少年を狂言回しにしたのもグッド。
思春期の成長とロックは切っても切り離せない関係だ。

キャストがまた良い。
ハリウッドで映画化したらジャック・ブラックが演じそうなカウントにフィリップ・シーモア・ホフマンというのが渋い!
ビル・ナイやリス・エバンス始め船の面々もみんな良いし、役人のケネス・ブラナーも意外なハマり役。


しかし惜しいかな!
海賊ラジオ局とイギリス政府の追い掛けっこの部分がもっと面白く描けていれば、と残念でならない。
政府の圧力に抗ってラジオ放送を続けるという、この部分が一番「ロック」な所なのだが。
枝葉となる細かいエピソードは面白いのだが、肝心の根幹のストーリーがしっかりしていないと・・・。


劇中、ビートルズが1曲も流れないのは、使用料が高くて断念したからだそうだ。
海外版のポスターが「アビー・ロード」、日本版のポスターが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のパロディになっているのは、そんな事情を皮肉っているのだとしたらロックだな。


ビートルズ「アビー・ロード」
アビー・ロード

日本版ポスター
パイレーツ・ロック日本版

ビートルズ「サージェント・ペパーズ~」
サージェント・ペパーズ




テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

カイジ 人生逆転ゲーム
カイジ 人生逆転ゲーム
★★


♪ざわわ、ざわわ、ざわわ~


藤原達也と香川照之の舞台系一人語り演技対決が暑苦しい(褒め言葉)。
特にカイジの役は、熱さの中にも知性が覗き、時に小動物のような可愛らしさも見せる藤原達也でなければ演じられなかっただろう、まさにハマり役だ。

他にも、山本太郎、天海祐希、松尾スズキと曲者揃いで、この中に入ると松山ケンイチは、薄すぎて向こうが透けて見えそうだ。


しかし、肝心のゲームが、ルールがあってないようなモノになっているのがつまらない。
限定ジャンケンでは勝ったら相手の星を1つ奪うと言いつつ最後に3つの星を賭け、Eカードでは手持ちの金がなくなったら終わりと言いながら借金してゲーム続行。
負けそうなピンチを逆転するのではなく、すでに詰んでいるところを、「これやったらダメって言わなかったから、やってもいいでしょ」的に揚げ足取りをして、無理矢理勝ってもつまらない。


出演者の演技を楽しむには面白い作品。
藤原達也のビールを飲む演技を肴に、ビールが一杯いけそうだ。




テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

さまよう刃
さまよう刃
★★★


ドラクエの敵かと思った


少年法によって守られてしまう殺人犯への復讐について描いた作品。

犯罪の現場が足立区というのが否が応でもアノ事件を思い出させてイヤだな。


ペンションを経営する父娘が登場するが、娘は長峰にこれ以上罪を犯して欲しくないと警察に通報するのに対して、父の方は長峰に銃と車を渡して警察から逃がす。
立場の違う者それぞれの考え方が興味深い。

そして刑事という立場ながら、長峰に味方してしまう若手の織部。苦悩する彼の気持ちがすごくよくわかる。
でも、刑事としてやっていくには、上司の真野ぐらい割り切らないといけないんだろう。

現実に、少年法を隠れ蓑に罪を犯すクズが存在するわけで、こういう作品が少しでも法改正を考えるきっかけになればと願うばかりだ。


共犯の少年が犯人の住所を留守電に吹き込んだり、「川崎駅前」という情報だけからチッタデッラで待ち伏せ出来たりといった都合良すぎる展開が気になるところ。
本題とは関係ない部分だが、こういう細かい所をきっちり作る、その積み重ねで、リアリティのある作品になるんだよな。

また、重いテーマを扱っている割に、映画として軽すぎる。作る人間の力量不足か。
この辺りは完全に韓国映画に分があるね。
そういう意味では、伊藤四郎という配役も軽すぎる。ニン。




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