スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
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アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ
アルティメット2 マッスル・ネバー・ダイ
★★★


フランスのジャッキーとユン・ピョウ


リュック・ベッソンの企画力は素晴らしい。
すでに確立されているスタイルの映画を、見せ方を変えることで新しいものとして提供する。
『96時間』は『コマンドー』や『ランボー/怒りの脱出』に代表されるアクションヒーロー物の体裁を取りながら、リーアム・ニーソンという非マッチョ俳優を主役に据え、アクションや設定にリアリティを加味した作品だった。

本シリーズで基礎にしているのは「ジャッキー・チェン映画」である。
身体能力を駆使し、地理や小道具を巧みに使ったアクションが、治安の悪化した近未来のフランスを舞台に展開される。

高価なゴッホの絵を守りながらのアクロバティックな戦闘などは、モロにジャッキー直系のカンフーアクション。
単純に観ていて楽しいし、ジャッキーファンとしては、他の作り手によってこのスタイルが継承されていくことが嬉しい。
ただ、例えば、窓に飛び込む時に突っかえ棒を同時に外して追っ手を入れなくするアクションなど、オマージュと言えば聞こえはいいが、アイデアをそのまま使った場面が多い。
この辺が、いまだに新しいアクションを見せてくれる本家との力の差か。

また、この手の作品は、主役の俳優自身が動けることが必須になるため、人気俳優を使うわけにはいかず、よほど魅力のある人材を発掘し叩き上げていかなければならない。
その点がジャンルとして育ちにくい要因だ。
そこに果敢にチャレンジするベッソンには頑張って欲しい。


作品は終盤、濃いキャラがゾロッと出てくるが、紅一点のタオ以外は見せ場がなく残念。
ラストにアクションの盛り上がりが、もうひと山欲しかった。




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テーマ:アクション映画 - ジャンル:映画

サブウェイ123 激突
サブウェイ123 激突



スタッフ、キャストがもったいない


※『サブウェイ・パニック』の批評はこちら。


1974年のクライム・ムービーの傑作『サブウェイ・パニック』のリメイクである。

元々が会話を中心にした心理戦がメインの映画だ。
トニー・スコットの、チャカチャカした落ち着きのない演出とは相性が悪い。
オリジナルにもあるカーアクションを増量するも、とってつけた感があり、効果的ではない。

乗客の中にノートPCを持ってるやつがいたり、犯人もノートPCでネットをチェックしているなど、現代的なアレンジも加えられているが、いずれもサスペンスを盛り上げるまでは活かされていない。

ライダー以外の犯人グループのキャラが立っていない点などもかなりのマイナス。

さらに、今時、ネズミに噛まれて誤射するという演出に至っては、失笑以外の何物でもない。


リメイクの意義が感じられない、残念な作品。
トニー・スコット、デンゼル・ワシントン、ジョン・トラボルタと、作る映画によっては面白いものが期待できるメンツなだけに、もったいない。




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サブウェイ・パニック
サブウェイ・パニック
★★★★


ぺラム123号強奪


※『サブウェイ123 激突』の批評はこちら。


トニー・スコット監督の『サブウェイ123 激突』の元になった作品。

犯人グループがお互いのことを「ブルー」「グレー」「グリーン」「ブラウン」と色の名前で呼び合うのは、タランティーノの『レザボア・ドッグス』の元ネタになっている。
「ピンク」「オレンジ」なんかと比べるといささか地味だが。


オチを含めて小咄的だが、しっかりとした演出に安心感さえ感じる。
デビッド・シャイアによるビッグバンド系の音楽もかっこいいし、この、70年代映画ならではの美学に、チビりそうなほどシビレル。

邦題がちょっと大袈裟なのは、『ポセイドン・アドベンチャー』などのパニック映画がヒットした時代だからだろう。
原題の「Taking」=「乗っ取り」が、やはりしっくりくる、クライム・ムービーの傑作だ。




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トランスポーター3 アンリミテッド
トランスポーター3 アンリミテッド
★★★


運ばれる方も気を使え!


髪の薄さとカッコよさは無関係であることを証明した男、ジェイソン・ステイサムのヒットシリーズ第三弾。
車から離れると腕輪が爆発するという、『ウェドロック』のような設定を使ったアクションが面白い。
わかりやすさは大事。
こちらが期待するアクションをきちんとやってくれる、サービス満点っぷりも気持ちいい。


しかし、そのアクションさえ台無しにしてしまう程の、ヒロインのヒドさはなんだ!?

誰かのコネでその辺のネエちゃんを出演させたようなルックスに、大臣の娘にウラミがあるとしか思えないキャラ設定。
そのムカつくキャラに、なんの必然性も無し。
よく考えたら、フランクの前任者はこの女の身勝手な行動のせいで死んでるじゃないか。

フランクよ、お願いだから、そんな女といい関係になるんじゃない!


オルガ・キュリレンコあたりで撮り直し希望。




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そんな彼なら捨てちゃえば?
そんな彼なら捨てちゃえば?
★★★


彼はあなたにそれほど夢中じゃない


群像劇として、とてもバランスがいい。
恋人募集中、結婚前、既婚で倦怠期、不倫と、「恋愛すごろく」上の色々な位置にいる女性の悩みを軽妙なタッチで描く。
登場人物同士が意外な関係で繋がっているのは群像劇のセオリーだが、様々な恋愛段階にいる女性とそれに絡む男性を、友人知人のレベルで無理なく配置しているのが巧い。

オールスターキャストでありながら配役がぴったりなのも素晴らしい。
そして、『恋しくて』とゲイのネタが個人的にツボだった。

たくさんのハッピーエンドと少しのバッドエンドが混ざった幕切れも後味が良く、全てにおいてバランス感覚に優れている。


しかし、全体的に「そつがない」レベルにとどまっているのが惜しいと言えば惜しいか。

また、原題は「彼はあなたにそれほど夢中じゃない」と、女性にズバッと言い切っているから面白いのに、邦題は女性に媚びているのが無粋だな。




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96時間
96時間
★★★★


ズルイ一言


この映画は巧い。
めちゃくちゃよく出来ている。
特に、娘が誘拐されるまでが。

主人公、娘、元妻、それぞれの人物像、関係、現在の境遇。そして主人公の能力など、この物語に必要な情報を、ひとつのシーンにいくつもの要素を含ませながら、短い時間で簡潔に見せる。

それから、主人公のことを同僚に、「ランボー」と呼ばせるのが、ズルイけどうまい。いや、うまいけどズルイ。
この一言で、これ以降、主人公の多少の無敵っぷりは許せてしまう。

最近のアクション映画の傾向でもあるが、この作品もギリギリの線でリアリティを保っている。
河を下る船を追って車で河岸を激走し、そのまま車ごとジャンプして突っ込んでもおかしくない所を、きちんと車を止めて降り、橋の上から、しかもクッションの効いていそうな場所を目がけて飛び下りる。

雑魚が弱く、瞬殺されるのもまたリアル。
いくら銃を構えても、訓練されていないチンピラはただの人。
殺しのプロである主人公にかなうわけないのだ。


リアリティを追求する余りか、人身売買組織のリアルさは、アクション映画としては後味が悪い。
『ホステル』にも登場した、悪意うんぬんを越えた、金と権力の絡んだ犯罪、それも警察でさえ介入できない巨大な何か。
主人公達はなんとか助かったが、その他大勢の犠牲者をどうすることもできない無力感がつのる。
しかも実在してもおかしく


あれ・・・、




誰か入ってきたぞ・・・




うぁfきyg
!!!1111!

180センチ、腕に月と星のタトゥksじ、hjn




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7つの贈り物
7つの贈り物
★★★★


マイ・ネーム・イズ・ポンド、セブン・ポンド


果たしてこの主人公の計画とは何か!?
「贈り物」とは!?
といった、ミステリー的な宣伝で煽っているが、この作品の本質はそこではない。

主人公のやろうとしていることは、割と早いうちに察しがつく(「主人公の自殺」、「心臓病の女性」、そして邦題の「贈り物」から)。
過去のシーンをそれとわからないように散りばめた特殊な構成になっているのは、主人公の素性、心の痛みや贖罪の理由を徐々に明らかにしていく為だ。
個人的にはこのようなギミック無しにストレートに描いた方が、より主人公に感情移入できたとは思う。
それでも、この主人公には共感する部分がとても多い。


始めは罪の意識から自殺による臓器提供を考え、計画を進めていくのだが、調査対象の女性に徐々に惹かれていき、次第にその意味が変わってくる。

「贖罪」の究極の形である、自分の身を犠牲にして誰かの役に立とうとする行為は素直に受け入れ難いが、理解できないわけでもなく、それ自体複雑な感情を呼び起こす。
しかしこの主人公の行動には、贖罪だけではなく、恋人を亡くした喪失感も大きく影響している。
生きていく希望を失い、毎日のように死を考えている。
この、主人公のリアルな人間臭さがこの作品の魅力である。

そして、提供相手として考えていた女性と恋に落ち、壮絶なジレンマが生まれる。
相手から必要とされていることに、自分の生きる意味も見えてくる。
彼女に生きていて欲しいが、その為には自分が犠牲になるしかない。
しかし自分は彼女と一緒にいたい・・・。

雨の中を全力疾走で病院まで駆けて行き、(自分以外に)ドナーが見つかる可能性は無いのかと、担当医にすがるように尋ねるシーンが切なすぎる。
主人公の気持ちが痛いほど伝わってくる。

贖罪から始まった計画が、愛するが故の自己犠牲に変わっていくからこそ、彼が最後にとる行動に納得がいくのだ。


ちなみに、原題の7ポンドとはシェークスピアの『ヴェニスの商人』に由来する。
物語の中で、借金の担保として契約するのが、自分の体の肉1ポンド。
その7つ分ということだ。




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