スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
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ドライヴ
ドライヴ
★★★★★


マスクを被ったドライヴァー


これは80'sの薫りを纏って蘇った、現代の『タクシードライバー』だ。

自分の世界に生きる男が、自分なりの愛を貫き、自分のルールで正義を執行する。
この複雑な世の中で、その純粋過ぎる行動はあまりにもいびつで痛々しい。
しかし人間の根源的な情緒に裏打ちされた、ある意味理想的な主人公の生き方は、観る者の共感を誘う。

そして、主人公の姿は、時として何かを思い起こさせる。
母親のため、妹のために殺人を犯す、ホラー映画のヒーロー達だ。
スタント用のマスクを被って佇む姿は、まるで『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズである。


撮影手法もこの作品の特異性を炙り出す。

手ブレ撮影の多い昨今、固定されたカメラと計算されたパンで紡がれる映像は新鮮だ。
主人公の意志のように真っすぐ前を見据えたカメラは、バイオレントな出来事からも目を逸らすことを許さない。
そしてエレベーターのシーンにおける照明の動きの素晴らしさ。映画史に残るであろう特筆すべき名シーンだ。

静かなるバイオレンス、情熱的な静寂、それが『ドライヴ』だ。




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テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

デビル
デビル
★★★


デビルを見た


悪魔をテーマにしながらも極めてリアルな展開で、超常スリラーと密室サスペンスの間を行ったり来たりする新感覚ホラー。
70年代の作品かと錯覚してしまいそうなクラシカルなタッチも、独特の深みを与えている。


主人公の警官は妻子を亡くして以来、酒浸りの日々を送っていた。なんとか自分で立ち直ろうともがいている。
事故の真相がわからないことで、時間がそこで停滞していた。
しかし、今回の事件に運命的に引き寄せられるように関わり、犯人の告白により真相を知ることとなる。
そして、彼を赦すことにより再生のきっかけを得る。

シャマランが繰り返し描いてきたテーマがそこにある。

監督は違えど、これは紛れもないシャマラン作品と言えるだろう。




テーマ:ホラー - ジャンル:映画

ダブル・ミッション
ダブル・ミッション



隣の家のスパイ


今作は、ジャッキーのどのハリウッド作品にも増してお子様臭が強い。
予告編からもそれは窺えたので、ドラマ部分は切り捨てて、アクションのみを堪能するつもりで挑んだのだが・・・。

しかし、これはジャッキーアクションとして過去最低レベルじゃなかろうか。
決して衰えたわけではない。
よく見ればわかるが、ジャッキー自身はまだまだ動けている。
それなのに、カット割りがヒド過ぎてきちんと見せることが出来ていないのだ。
ワイヤーやスタントマンも見え見えで不自然だ。香港でも使っているものなので、要は使い方が悪いのだろう。

敵役の俳優がアクション出来ていないのにも問題がある。
ジャッキー本人も言っているように、彼のアクションは演舞のようなものである。
リアルに無駄なく倒すことよりも、いかに華麗でカッコいい動きを見せるかにこだわっている。
組手の相手次第で良くも悪くもなるのだ。

「ハリウッド進出30周年記念作品」だの、過去のアクションシーンのオマージュがあるだの(オマージュと言うよりネタの使い回し)、宣伝が大袈裟なのはJARO通報レベル。
オープニングのタイトルバックで過去の作品のアクションシーンを編集して見せるのも期待を持たせ過ぎだ。

怖いのは、この映画を観た観客が、「ジャッキーも年とって衰えたな」とか「これからはコメディ路線だな」などと間違った感想を抱いてしまうこと。


ドラマ部分は、悪い意味で、どんな80年代映画よりも80年代的であり、チープなストーリーに笑えないギャグ、安い画作りに安い敵と、「子供向け」を履き違えてる。

途中で、石油を分解する薬の効果を見せたのは伏線ではなかったのか?
あんな面白い発明をストーリーやアクションに絡めないでどうする!?


ジャッキーファンならば「ジャッキー補正」というのが働いて、どんな作品も(『シティ・ハンター』でさえも)楽しめるはずなのだが、この90分間は苦行に近かった。

ジャッキーはこんなもんじゃねぇよ。




テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
冷たい雨に撃て、約束の銃弾を
★★★★★


ストレート男汁100%


紛れもない傑作。
この映画は名シーンだけで出来ている。

主人公と殺し屋三人組が事件のあった娘の家を訪れて食事をするシーン。そこでの拳銃組み立て競争を始めとして、言葉少なに絆を深めていく男達に惚れ惚れする。

仇である殺し屋との、バーベキューの場面での間合いの計り合いは『イングロリアス・バスターズ』第一章のように静かでありながら壮絶だし、そこから繋がる月夜の銃撃戦では時代劇の美学も漂わせる。
その他、自転車を射撃する場面では西部劇を、雨の中の逃亡シーンでは『ブレードランナー』的近未来SFを感じさせるなど、イメージは実に多彩だ。

その後も、シールを目印にボスを追うクライマックスまで名シーンを挙げればキリがない。
音楽もいい。
編集もいい。
台詞を極力無くし、さりげない伏線を効かせた脚本もいい。

常連が揃った俳優陣の魅力は言わずもがな。
『五福星』の「マジメ」ことフォン・ツイファンも存在感を発揮していて懐かし嬉しい。
そして主役のフランス人俳優、ジョニー・アリディの素晴らしさったらない。


クサ過ぎてたまらない展開もジョニー・トーの手に掛れば屈指の名場面になる。
そしてジョニー・トー作品にはバイオレンスと共に、仲間や家族の絆という、決して裏切らない温もりがある。




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タイタンの戦い
タイタンの戦い
★★


タイタンの戦いfeat.ハデス


81年のオリジナル版からキャラクターのエッセンスを持ってきているが、ストーリーは別物である。

オリジナル版で主人公の原動力となるのが王女アンドロメダを守ることだったのに対して、本作では育ての親の仇討ちに変わっている。
仇として実の父に立ち向かうことになるわけだが、そこがうまく消化されていない。

悪役としてハデスを登場させたのも大きな改変だ。
弟であるゼウスに騙されて冥界に左遷されたハデスが、神と人間の争いを利用して、積年の恨みを晴らそうと目論む。
ダークなキャラクター造形を含め、現代的なアレンジ。
オリジナル版にはハデスのハの字も出てこない。リリース・ザ・クラーケンするのはポセイドンの仕事だったのだが、クラーケンは海の魔物なので実はその方がしっくり来ていた。

仲間と旅をする点が強調されたのはいかにも『ロード・オブ・ザ・リング』以後といった感じだが、肝心の仲間のキャラが立っていないので、殉職シーンなどの盛り上がりに欠ける。
ドラコや、若手の兵士(名前すら覚えられず)なんかは、磨けばいいキャラになりそうなのだが。
一列に並んで歩くのを空撮で捉えるショットも、まんま『ロード・オブ・ザ・リング』過ぎる。


オリジナル版はストップモーションアニメの神、レイ・ハリーハウゼンの集大成とも言うべき作品だったが、リメイク版は見所がCGのみの大味なファンタジーになってしまっているのが皮肉だ。


それにしても、サム・ワーシントンのパンチラが気になって仕方なかった・・・。




テーマ:特撮・SF・ファンタジー映画 - ジャンル:映画

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