

★★★★
邦題は『ベスト・キッド』で結果オーライ
感動する場面に燃える場面、こちらの感情の動きがオリジナル版を観ている時と一致する、そこに、製作スタッフのオリジナル版への愛を感じる。
細かいネタまで丁寧に拾って再現してくれるから、オリジナル版のファンには堪らない。
それだけでなく、舞台とキャラ設定を変えたことによるエピソードのアレンジもうまくハマっている。
さらに、例えば「車を大事にしている師匠」といった同一のモチーフを使いながら、そこから違った展開に持っていくなど、ポイントでのハズしも効いている。
カンフーへの愛も半端ではない。
ジャッキーファンには『ドラゴン・キングダム』に続いての師匠役が感慨深いし、竹でお互いの手首を繋いでの『ドランクモンキー酔拳』修行シーンの再現には涙々だ。
ラストの技をオリジナルの「鶴」から「蛇」に置き換えたのもわかってるね!
蛇と鶴と言えば、つまり『蛇鶴八拳』だ。
成長期の男の子には、親以外にお手本となる人物が必要だ。
それは、学校の先生であったり親戚のおじさんであったりアパートの管理人であったり様々だ。
母子家庭のドレにとって、ワンは父親代わりにもなっている。
ここはオリジナルと同じテーマだ。
さらに、今回のリメイク版では舞台を中国に変えることで、「異文化に放り込まれてひとりぼっちの少年を地元のオヤジが助ける」という構図になっており、アメリカでの異端者だったミヤギよりもワンの頼もしさが増している。
さりげなく『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のパロディまで入れてくる辺り、製作陣の余裕すら感じられる。
リメイクの鏡。
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