

★★★
刺客の資格
役所広司と市村正親の一騎討ちに武士の生き様を見た。
どんな君主であれ、命懸けで守るのが武士のさだめ。
そして、役者それぞれの持ち味を堪能できるのがこの作品の魅力。
前述の二人はもちろんのこと、松方弘樹の存在感は別格。
いちいち見得を切るという、リアリティを損なわないギリギリの線で見栄えの良さにこだわった殺陣は、他の出演者と一線を画す。
個人的には、戦場のあちこちに刺しておいた剣を次々と抜きながら戦い、弟子に教えていたように剣が無くなったら石で殴ってでも敵を倒そうとする伊原剛志の姿にもシビレた。
その他、山田孝之、古田新太、伊勢谷友介、稲垣吾郎、松本幸四郎、岸部一徳ら、それぞれの魅力が発揮されている。
ただ、稲垣吾郎の暴君はキャラ造形が中途半端で残念。
「指示通りにやりました」レベルに留まっている。
また、コメディリリーフの伊勢谷友介は出番が多く目立ち過ぎた。
飛び道具は便利なのでつい使ってしまいがちだが、多用すると作品のトーンまで壊してしまうので要注意。
十三人のうちの若手の何人かはキャラクターが描かれていないのが残念だ。
『十二人の怒れる男』が全員のキャラクターをきっちり描けてるんだから、あと一人ぐらいなんとかなるでしょ。
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