スペース・モンキーズの映画メイヘム計画
まじめにふざける映画批評。基本的にネタバレ注意。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ドライヴ
ドライヴ
★★★★★


マスクを被ったドライヴァー


これは80'sの薫りを纏って蘇った、現代の『タクシードライバー』だ。

自分の世界に生きる男が、自分なりの愛を貫き、自分のルールで正義を執行する。
この複雑な世の中で、その純粋過ぎる行動はあまりにもいびつで痛々しい。
しかし人間の根源的な情緒に裏打ちされた、ある意味理想的な主人公の生き方は、観る者の共感を誘う。

そして、主人公の姿は、時として何かを思い起こさせる。
母親のため、妹のために殺人を犯す、ホラー映画のヒーロー達だ。
スタント用のマスクを被って佇む姿は、まるで『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズである。


撮影手法もこの作品の特異性を炙り出す。

手ブレ撮影の多い昨今、固定されたカメラと計算されたパンで紡がれる映像は新鮮だ。
主人公の意志のように真っすぐ前を見据えたカメラは、バイオレントな出来事からも目を逸らすことを許さない。
そしてエレベーターのシーンにおける照明の動きの素晴らしさ。映画史に残るであろう特筆すべき名シーンだ。

静かなるバイオレンス、情熱的な静寂、それが『ドライヴ』だ。




スポンサーサイト

テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

モールス
モールス
★★★


ぼくのアビー


オリジナルの『ぼくのエリ 200歳の少女』に忠実に作られたリメイク作品。
ハリウッド映画でここまで静かな映画を作ることが出来たのは凄いが、結果としてオリジナルの良さを際立たせることになった。

オリジナルとの相違点としては、『トムとジェリー』での人間の扱い方のように、少年の母親の姿をハッキリと見せず声だけの存在にしている点が挙げられる。
父親に至っては、電話口の声のみだ。
子どもだけの世界を強調したかったのだと思うが、大人の存在があってこそ、この世界からの逃避行が活きてくると思うのだ。
本作での演出は逆効果ではなかろうか。

オリジナルでぼかしてあった少女と保護者の関係を、スピード写真のツーショットで説明してしまうのも野暮だなぁ。


これは、外国の映画を観たがらないアメリカ人の為に作られた映画と捉えるべきだろう。
僕らには『ぼくのエリ』がある。




テーマ:ホラー - ジャンル:映画

リミットレス
リミットレス
★★★★★


ドラえもん、頭の良くなる薬出して!


人間の脳のポテンシャルを100%引き出すことが出来る薬を手に入れた主人公。
うだつの上がらない作家が巻き込まれる騒動を描いた、すこしふしぎ(SF)なサクセス・ファンタジー。


薬を飲んだからといって必ずしも上手くいく訳ではなく、主人公の元妻のように廃人になるケースもある。

要はその人の本質が重要だ。
ドーピングしても本来の人間性を無視して素晴らしい人間になることなど出来ないのだ。
これは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』と同じテーマであり、私が両作品に惹かれる部分でもある。
薬を分析させて量産し、脅威となる人物をうまくかわして成功していく主人公は、元々クレバーさを備えていたのだ。

主人公以外にも薬を利用している権力者が登場し、世の中の成功者は皆この薬を使っているのかも…とほのめかしていく展開も面白い。


映像の素晴らしさも特筆ものだ。
オープニングにも登場する、延々と続くスクロールは薬が回ってきた表現として秀逸。
観ているこちらもクラクラする程だ。

そして第三者目線で主人公を見ると、表情がキリッとするだけでなく髪や肌が小綺麗になって、画面が明るく、彩度も高くなる。
この演出がまた気持ちいい。


ジャイアンキャラ的なヤクザのコミカルな味付けも効いている。




テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

デビル
デビル
★★★


デビルを見た


悪魔をテーマにしながらも極めてリアルな展開で、超常スリラーと密室サスペンスの間を行ったり来たりする新感覚ホラー。
70年代の作品かと錯覚してしまいそうなクラシカルなタッチも、独特の深みを与えている。


主人公の警官は妻子を亡くして以来、酒浸りの日々を送っていた。なんとか自分で立ち直ろうともがいている。
事故の真相がわからないことで、時間がそこで停滞していた。
しかし、今回の事件に運命的に引き寄せられるように関わり、犯人の告白により真相を知ることとなる。
そして、彼を赦すことにより再生のきっかけを得る。

シャマランが繰り返し描いてきたテーマがそこにある。

監督は違えど、これは紛れもないシャマラン作品と言えるだろう。




テーマ:ホラー - ジャンル:映画

スリーデイズ
スリーデイズ
★★★★


すべて彼女のための苦労


この作品はフランス映画『すべて彼女のために』のリメイクだ。
オープニングを始め、同じシーンを同じ構図で撮るなど、その忠実さにまず驚かされる。

そこに加えて、計画通りに逃げることが出来たオリジナルに対し、本作は予期せぬアクシデントを盛り込むことでよりサスペンスフルになり、より主人公のクレバーさが際立つようになっている。
体ではなく頭を使って逃げる主人公のキャラクターをさらに掘り下げた良リメイクと言える。


愛する者を助けるために法を侵す主人公には賛否あるだろうが、自分も同じ立場に置かれたら同じ行動を取るだろう。
プリウスに乗って(アメリカでは善良な市民の象徴)馴れないことをする主人公に感情移入しまくりだ。


オリジナルでは逃避先が警察にバレてしまい不安を感じさせて終わるが、本作ではうまく欺いて行方を眩ませる。
この、希望を残したエンディングがいい。

そして、黙って地図を見つめる父親。言葉少なな親子関係もまたいいんだ。

オリビア・ワイルドという最大のトラップも用意されていたが、うまくかわしたね!




テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

猿の惑星:創世記(ジェネシス)
猿の惑星:創世記(ジェネシス)
★★


猿でもわかる映画


予告編で見た以外のことが何も起こらない映画。
これは予告編が見せ過ぎというワケではなく、予想外のことが何も起こらない平凡なストーリーだということだ。
さらにそのストーリーを何の含みも無く全て映像で説明してしまうのだから、もはや映画にする必要があったのかどうかさえ疑わしい。
例えばラスト、ウィルスに感染したパイロットが出発ロビーから撒き散らして全世界に広がって行きました~って、そこまで説明する必要はないだろう。
ウィルスに感染したパイロットが仕事に出掛けた、この事実だけで後はわかる。


アルツハイマーの父親の為に研究を続ける主人公の姿には感動したし、シーザー達が蜂起する姿は熱いのだけど、後に残るものが何もないのだ。


チンパンジーとゴリラとオランウータンが居たり、キャラのネーミングなどで『猿の惑星』シリーズに関連付けようとしているが、その必要性もあまり感じられず、独立した作品として作った方が良かったのではないかとも思う。




テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

ラスト・エクソシズム
ラスト・エクソシズム
★★★


イナバウアー(禁句)


悪魔祓い(エクソシズム)をPOVの擬似ドキュメンタリー形式で撮った作品。

主人公の神父がエクソシズムに否定的で、トリックを使うことでエクソシズムのウソを暴こうとしている、そのスタンスが面白い。
POV映画が珍しくなくなった今、単に悪魔祓いを題材にするだけではなく一捻り加えたのがこの作品の特徴。

集落の住人がカルト集団だったという『悪魔の追跡』もかくや、という展開もワクワクしたが、いかんせん唐突過ぎた。
徐々にあの流れに持って行ったらもっと盛り上がったかも。


しかし、この作品で最も引っ掛かるのは、擬似ドキュメンタリーとしての作り込みと設定の甘さだ。
このフィルムは発見された後に編集されたハズだが、後半になるに連れて撮りっぱなしの映像になるのは不自然。しかも後半の無編集部分にもなぜか音楽は付いている。
カメラを止めた時に真っ暗な画面が録画されているのも不自然。
そもそも、カメラマンがあの状態で殺されたら、このフィルムは隠蔽されて世に出ることはなかったはずだ。

『クローバーフィールド』は完璧にやり切っていたなぁと、改めて思う。




テーマ:ホラー - ジャンル:映画

世界侵略: ロサンゼルス決戦
世界侵略: ロサンゼルス決戦
★★


中間管理職の底力


年下から舐められ白い目で見られている退役決心したベテラン兵が、実戦での決断力・行動力で若手の甘えを叩きのめし、信頼を得てやがて結束していく。
この筋書きに熱くならずにいられようか!?

これは中間管理職応援映画である。


ディテールもいい。
恐らく他の星でも侵略を繰り返してきたのだろう、戦争慣れしていることを想像させるエイリアンの戦闘スタイルと、使い込まれた兵器群。
バーニアの角度をボシューッボシューッと微調整しながら迫って来る飛行挺のアナログ感もタマラない。

そして、それに対するナンツ二等軍曹の、無線をガソリンスタンドに設置してのおびき寄せや、エイリアンの急所探し、レーザー誘導装置での司令船撃墜といった、場数を踏んでいるからこそ出来る反撃の数々。

市街戦ならではのロケーションも面白く、戦争映画に徹したのは正解。


ただ、いかにも『トゥモロー・ワールド』『ハート・ロッカー』以後、『第9地区』以後の作品であり、既視感のある映像からは目新しさは感じられない。

印象に残るのは新しい映画を観たということよりも、アーロン・エッカートのビックリ顔ばかり。




テーマ:アクション映画 - ジャンル:映画

アジョシ
アジョシ
★★★


コリアンコープ作品?


テシク(ウォンビン)の特殊部隊仕込みのアクションに燃える!
特にクライマックス、トルコ風呂でのナイフを使った戦闘が凄い。
首、脇、手首など相手の動脈を確実に狙っていく間違いない仕事っぷり。
そこからベトナム人用心棒との仁義ある一騎討ちになだれ込み、防弾ガラスを撃ち抜いてボスを仕留めるまで息をつかせない。

アクション映画としてのクオリティは高い。


しかし、軽い。
そしてクサい。

テシクがボサボサ頭に見えてきちんと整髪されていたり、ディテールが軽く、妙にリアリティーがないのだ。
まるで、漫画原作をテレビドラマ化したような手触りだ。

テシクの恋人との過去や、少女との交流場面など、演出がドラマチック過ぎてクサいのもノレなかった。

全体的に、リュック・ベッソン及びヨーロッパコープ作品をはじめ、既存のアクション映画のいいとこ取りという印象は拭えない。
いや、ヨーロッパコープ作品は好きなのだけど、「みたいな」のはちょっとね・・・。

また、「金歯以外食いちぎってやる」「知ってるふりをしたい時、知らんぷりをしてしまう」など、数少ないテシクの台詞がいちいちダサくてピンと来なかった。


立ちまくった敵キャラも面白いのだが、その点も作品の軽さを助長してしまっている。




テーマ:韓国映画 - ジャンル:映画

ピラニア3D
ピラニア3D
★★★★★


ピラニアと共に80'sホラー復活


能天気お下劣ホラーに求める全てがここにある。

ビキニにオッパイに肉片にイケてない主人公に憧れのガールフレンドに自分勝手なバカ男に言うことを聞かない子どもに・・・。
観客を楽しませることにトコトン徹した作品!
80'sホラーの正しき復活!


キャストも80'sファンには堪らない。
オープニングで最初の犠牲者となるリチャード・ドレイファスは『ジョーズ』と同じ出で立ちで登場し、同じ歌を口ずさむ。
『スタンド・バイ・ミー』のジェリー・オコンネルはノリノリでアホプロデューサーを演じているし、ドクことクリストファー・ロイドとジェニファーことエリザベス・シューの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』コンビ(正確には2作目と3作目)も健在で、二人の再会シーンには涙が出そうになった。


キャストと言えば日本語吹き替えキャストも実力派揃いなので(一名を除き)、往年のテレビロードショーのノリを楽しむのもオススメ。
特にジェリー・オコンネル役の東地宏樹の安定感は抜群で、彼が喋るたんびにニヤニヤしてしまう。
ジモティー!




テーマ:ホラー - ジャンル:映画

copyright © 2016 スペース・モンキーズの映画メイヘム計画 all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。